スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋、いろいろな楽しみ方がある秋ですが、あなたはどんな秋を過ごされますか?

私は何と言っても“食欲の秋”です。

栗や柿、お米などさまざまな食材が実りを迎える“実りの秋”でもあり、おいしいものがたくさん出てくる季節ですよね。

実は秋の味覚はおいしいだけではありません。

旬のものを食べるメリットはたくさんあります。

今皆さんの生活に影響を与えている新型コロナや、これからの時期に気になってくるインフルエンザなどの、感染症に打ち勝つための身体づくりにもつながってきます。

今回は、おいしく食べて健康的な身体作りにも役に立つ、秋の味覚についてお伝えしましょう。

旬食材のメリット

あなたは普段“旬”を意識して食事をしていますか?

今は季節に関係なく、1年中さまざまな野菜や果物、魚などが手に入るようになったため、そもそも食材の旬が分からないという方も多いのではないでしょうか。

昔は決まった時期にしか食べられなかったものがいつでも手に入るようになったことは、確かにうれしいことですよね。

食べたい時に食べたい物を食べる、もちろんそれも食の楽しみ方のひとつですが、食材に旬があるのは理由があります。

今回はその理由を3つご紹介します。

ぜひ季節ごとの食材を楽しむ良さを知って活用してみてください。

①おいしくて栄養価が高い

野菜や果物、魚には種類によって最適な環境があります。それぞれの好きな環境で育った食材は自然に無理なく育つため、香りやうまみが濃くて栄養価が高くなります。

一方で、ビニールハウスで育てたり、本来の季節に関係なく育つように品種改良されたものは、自然に逆らって人間が作り出しているため、どうしても旬のものには及びません。人間も自分に合わない環境で無理に働くよりも、適した場所でのびのびと働いた方が良い成果が出ますよね。

例えばほうれん草の旬は冬ですが、冬に育ったものと夏に育ったものを比べると、夏のほうれん草はビタミンの含有量が1/3に減るというデータがあります。

1年中豊富な種類の野菜が手に入るため、食卓にカラフルな野菜がたくさん並んでいれば栄養たっぷりで健康的な食事に見えます。

ですが、同じ量の野菜を摂ったとしても、時期外れのものは思っているほど身体に栄養は取り込まれていません。栄養面を考えるのであれば、普段食べている好きな野菜にプラスして旬の野菜も積極的に取り入れることをおすすめします。

また、旬の野菜は、野菜そのものの味が濃いため、調味料が少なくてもおいしく食べられます。したがって、素材そのものの味を楽しめることに加え、調味料の使用量を減らすことができ、余分な塩分や糖分の摂りすぎを抑えられるメリットもあります。

旬の野菜は栄養価の面でも調理の面でも健康に良いと言えるでしょう。

②体が喜ぶケアをしてくれる

四季折々の食べ物は私たちの身体と密接に関係しています。

それぞれの季節に育った野菜は、その時期に身体が必要とする成分を持ち、身体にうれしい効果をもたらしてくれるため、季節ごとに疲れた臓器のケアをしてくれます。

春はデトックス、夏は水分補給、秋は滋養強壮、冬は保温・保湿です。

“秋茄子は嫁に食わすな”ということわざの意味を考えると分かりやすいと思います。

夏にも旬がある茄子は、水分を多く含み身体を冷やす効果があります。夏には身体を労わるために茄子を食べますが、秋は身体を冷やすと体調のバランスを崩すことから、お嫁さんを気遣ってこのことわざができたという一説があります。

このことわざのように、季節ごとのふさわしい食べ物は私たちの身体を健康に導いてくれます。秋は夏の暑さにダメージを受け、暑さから寒さへの気温の変化で体調を崩しやすい時期のため、これから迎える冬の寒さに備える必要があります。

では、秋の食材の具体的な効果を2つご紹介します。

1つ目は乾燥を防ぎ身体を潤す効果です。長芋やれんこん、大根などの白い食材や、キノコ類、果物に身体を潤す効果があるとされています。

2つ目は、胃腸を整え養う効果です。寒い冬を乗り切る免疫をつけるためには夏に弱った胃腸を整えることが大切です。かぼちゃやじゃがいも、さつまいも、れんこんなどの根菜類や、さんまにもその効果があります。

人間も、自然の大きな流れの中で生きているということが分かりますよね。その流れに逆らわずに身を置けば、自然は私たちの強い味方です。普段から自然の力を借りて体調を整えておくことで、風邪ウイルスにも負けない身体づくりができます。

③価格が安い

食事は毎日のことなので、いくら健康に良いものでも価格が高いと続きませんよね。

何となく身体にいいものは価格が高いというイメージがありませんか。

ですが、実は旬の食材はお財布にも優しいのです。

旬に近づくにつれて収穫量が増えるため、大量に採れた食材が一斉に市場に出回ります。したがって旬のものは価格が安く手に入るわけです。しかも、近隣で採れたものが店頭に並ぶことも多くなるため安いにも関わらず新鮮です。

旬の食材のメリットを3つご紹介しましたがいかがでしょうか。

おいしくて、栄養価も高く、健康にもよい、そしてその上安い!旬食材の魅力は伝わったでしょうか。

秋の旬食材

旬のものを食べるメリットについてお伝えしてきましたが、旬が分からないという方のために代表的な秋の旬食材をご紹介します。

〇野菜

じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、里芋、長芋、れんこん、カリフラワー、かぶ、

しいたけ、しめじ、えのき、エリンギ

水菜、チンゲンサイ、銀杏

〇果物

りんご、梨、柿、栗、クルミ、イチジク、ザクロ、かりん

〇魚

さんま、鮭、さば、いわし、カツオ、スルメイカ

まだまだ旬の食材はこれだけではありません。ぜひお店で“今が旬”の文字を見つけてみてください。

今までは見過ごしていた旬も、意識をしてみるとたくさん目に留まると思います。

季節で旬の食材が変わるのは、四季がある日本ならではの文化です。

せっかく日本に生まれたのですから季節を食事で楽しみませんか。

そしておいしく健康的な食事で免疫を上げ、風邪ひき知らずの強い身体で冬を迎えましょう!

担当ライター:渡邊可奈子

ヘルスフードプランナー/看護師

コメント:私はこどもの頃、毎日家族で食卓を囲み、母の手料理を食べ、食の大切さ、家族の温かさを感じてきました。そして私が親になる時、妊娠中の食事が先天性疾患の一因であることを知り、食を学び、無事に出産できました。
目玉焼きさえ作れなかった私でも、今は家族のために毎日料理を作っています。
食事は毎日のことだからこそ、少しのポイントを意識するだけで、心も身体も健康になります。私と一緒に食事で家族を笑顔にしましょう。