毎年、日本では最高気温が上昇していく中、あなたはいかがお過ごしでしょうか?

今年の夏ですと、沖縄より北海道の方が気温が高いことが観測されていますね。

この異常な暑さの中で、身体に負担がかかっている方も

多くいらっしゃるのではないでしょうか?

株式会社タニタの2020年に行われた熱中症に関する意識・実態調査によるアンケートでは、

「“暑さによって引き起こされた身体の不調”を自覚したことがあるか?」に対して、

全体の74.8%、約4人中3人もの人が不調を感じたことが、”ある”と答えています。

このことからも、毎年最高気温を更新している日本にいる私たちにとっては、決して見て見ぬ振りのできない問題となっています。

今この記事を読まれている方は、少なくとも健康に気を遣われており、意識が向いているのではないかと思いますが、

先ほど取り上げたデータを見てみても、暑さによる身体の不調は非常に多くの方に起きやすく、自身や周囲の身近な方含めて、自分事として捉える必要があると言えるでしょう。

実際に、猛暑日には何人もの方が病院へ救急搬送されています。その方々もまさか自分がなるとは思っていません。

認知度が高く、重症化しにくい側面もありながら、熱中症が命の危険もある、とても怖い病気の一つであることは、テレビや新聞の報道でも明らかになっています。

特に今は新型コロナウイルスが蔓延している中で、マスクをせざるを得ない環境下に立たされていますが、実はマスクも熱中症の危険因子の一つです。

そこで、1人でも多くの方に熱中症の正しい知識や、熱中症になりにくい身体作りの為に大切なことをお伝えしていきます。

まず初めに、そもそも熱中症の定義は皆さんご存知でしょうか?

全日本病院協会の定義によると、

「熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のこと。」

と定義されています。

改めて確認してみると、この定義の中に、熱中症にならないためのヒントが数多く隠されていることがわかります。

結論からお伝えしますと、熱中症になりにくい身体作りの為には、

体内の水分と塩分のバランスを整える

体温の調節機能を整える

この2つに集約されます。

この2つを正しく理解し、正しく対策を実行できれば、基本的には熱中症の重症化は確実に防ぐことができます。

ここでは、具体的な対策をご説明する前に、もう少し熱中症の起こるメカニズムや、身体の中では何が起こっているのか、

について、簡単に紐解いていきたいと思います。

熱中症発生のメカニズム

暑い時や運動や活動によって、体温が上昇します。この時に、通常であれば、身体の中では体温調節機能が働くので、

①発汗による汗の蒸発

②皮膚に血液を集めることで出来る外気への熱伝導

で熱放散を行います。

しかし、体温調節機能が働かず、この2つの熱放散が行われないときに、私たちは熱中症の症状に見舞われるのです。

では、熱中症を防ぐためには、どのような対策をすれば良いのでしょうか。

このあたりは個人差になってしまうため明示することは難しいのですが、

身体の元々の水分量から2%失われるとのどの渇きを感じ、運動能力が低下しはじめると言われます。

続けて、3%失われると強いのどの渇き、ぼんやり、食欲不振などの症状がおこり、

4~5%になると、疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状があらわれます。

そして、10%以上になると、死にいたることもあります。

元々の身体の水分量は成人であれば、体重の約60%だと言われるため、60kgの方であれば、36ℓの水分が必要です。

この方の場合、2%の水分量(36ℓ×2%=720ml)が低下すると熱中症の初期症状を感じます。

なんと、ペットボトルのお水、約1本半分くらいの水分量低下で熱中症は起きるのです。

従って、水分量の低下を招かなければ、熱中症を起こしにくいことになります。

上記の数字からみてお分かりの通り、人間にとって、水分の摂取は欠かすことができない

とても大切なものなのだということがわかります。

そこで、熱中症になりにくい身体づくりのために、今すぐ出来る対策をいくつかご紹介していきます。

1、水分をとる

まず最低限やらなければいけないことは、水分補給です。

環境省熱中症予防情報サイトによると、日常生活で摂取する水分のうち、飲料として摂取すべき量(食事等に含まれる水分を除く)は

1日あたり1.2リットルが目安とされています。

他に、夏場ですと余計に汗をかいて水分が失われる量が多くなるため、目安量より少しだけ多くとることをお勧め致します。

判断材料としては、尿の色をみることです。色が濃くなっている場合には身体の水分量が少なくなっている可能性があります。

そのような時、思い返してみるとあまり水分を摂っていないのではないでしょうか?

意識して水分摂取量を多くしていきましょう。

2、汗をかく

酷暑が続いている中、あまり外に出ずに、涼しい部屋にいることも多くなってきているかと思います。

特に今は在宅ワークも多くなってきていることから、通勤という軽い運動も無くなっていますよね。

それが続くと、汗をかく習慣がなくなり、汗をかくという体温調節機能が身体の中で働きにくくなります。

暑い夏こそ、適度な運動や暑い物を食べたり飲んだりして、汗をかく習慣を無くさないのも対策の一つです。

3、身体から熱を逃すツボ

1、2ができた上で最後に、セルフケアとして身体から熱を逃すツボをご紹介します。

それは陽谷(ようこく)というツボです。

場所は、手の甲側、小指のラインと手首が交差するあたりのくぼみ(ボコっと出ている骨の小指側の際あたり)の部分になります。

ここを反対の手の指でグッと押したとき、痛みを感じる部分が陽谷です。

身体に熱が溜まっている時ほど押した時の痛みが強くなるため、押して痛いときには重点的に押すといいでしょう。

他にも考えられる対策はありますが、今回は身体の仕組みから紐解いた上で一番簡単でありすぐ出来る対策を3つご紹介させていただきました。

何よりも大切なことは、ご自身の身体の状態はご自身で感じ、それに合った対策を一人一人適切におこなっていくことです。

今回の内容を熟読してくださった皆様が、今後、自分や身の回りの方々と一緒に、暑い夏でも夏バテせずに楽しい日々をお過ごしいただければと思います。

理学療法士 杉山 京介