弊社では、健康経営を推進している企業様へ、施策の実行面でも色々とご支援をさせていただいておりますが、多く企業様からよくいただくご相談の一つとして、特に多いのがメタボ対策です。
毎年の健康診断で、メタボ予備軍もしくはメタボと診断され、特定保健指導を実施したり、健康セミナーを開いたりして、様々な対策を実施しているのに、そういった社員が減らず困っている、というお悩みの声をよく聞きます。
本日は、そのような課題をお持ちの企業様に、どうしたらメタボの根本改善につながるのか、ヒントとなる情報をお届けできたらと思いますので、是非貴社の今後の施策のご参考としていただければ幸いです。
メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪蓄積を基盤として、血圧や血糖、血清脂質の異常をひきおこす病態と考えられています。
内臓脂肪の蓄積を改善するには、食べ過ぎと運動不足を解消することが重要です。
メタボリックシンドロームの診断基準には、腹囲が診断基準(男性85cm、女性90cm)以上であるという項目があります。
腹囲が大きくなってしまう主な原因は過食と運動不足ですが、自力で解消するのはなかなか難しい場合もあります。
仕事から帰ってくる時間が遅い人、土日も仕事で忙しい人、環境によっては運動する時間が取れない場合もあります。
血圧・血糖・血清脂質は、腹囲以外の環境要因等の影響も受けますので、ただ痩せるだけではなく、食生活の改善や運動などを適切な方法で行うことが重要です。
メタボ対策で重要となる主なポイント
メタボ対策で重要となる主なポイントは以下の通りです。
1、血圧を上げない生活を心がける
2、血糖値の急上昇を起こさないようにする
3、タンパク質は同じ種類が続かないように、毎日違うものを食べる
4、腸を整えるような食材・調理法を選ぶ
5、脂質のバランスを考える
このうち、本日は、血圧を上げない生活習慣のポイントと、血糖値の急上昇を起こさない方法について詳しくお話しましょう。
1、血圧を上げない生活を心がける
血圧が上がると私たちの身体に様々な負担をかけ、単なる肥満に留まらず、血管への負担により脳卒中や狭心症のリスクも高まりますので、注意が必要です。
血圧上昇の主な原因と予防法は以下の通りです。
①減塩を心がける
塩分の摂りすぎると、血液中の塩分濃度を下げるために水分摂取が増え、血液量が増加します。すると、心臓から送り出される心拍出量が増え、血圧が上がるので、減塩を心がけましょう。
②減量を意識する
肥満になるとインスリンの働きが悪くなり、インスリンが過剰に分泌され、交感神経を刺激することで血圧が上昇しますので、減量を意識しましょう。
③喫煙や過度の飲酒、運動不足の改善に取り組む
喫煙や過度の飲酒、運動不足を解消するよう心がけましょう。主な理由は以下の通りです。
喫煙:血管を収縮させるために血圧が上がります。
飲酒:量が多いほど血圧の平均値が上がり、高血圧リスクが上昇します。また、飲酒は食欲を増進させるため、カロリーオーバーになりがちで肥満を招きやすくなります。
運動:運動不足も高血圧の環境要因のひとつとなります。
④自律神経の乱れを整える
血圧は交感神経と副交感神経がバランスよく働くことでコントロールされています。ストレスや睡眠不足、不規則な生活は自律神経の乱れを招き、血圧を上げる交感神経が優位となり、結果血圧を上げてしまいます。
また、一時的なストレス解消のために、喫煙や食べ過ぎ・飲み過ぎといった行動が習慣化している方も多いのですが、そもそも自律神経を整えることで、根本的なストレス改善にもつながり、自然と健康に悪い生活習慣から抜け出すこともできるようになります。
このように、私たちの心と体は、密接につながっています。
2、血糖値の急上昇を起こさないようにする
1日にとる糖質の量を控えることが大切です。
茶碗1杯(150g)に含まれるご飯の糖質量は約55g。これは角砂糖で14個分に相当します。
現代では、多くの人が、朝・昼・晩3食ともにご飯を食べ、さらに間食としてお菓子を食べる方もいるのではないかと思いますが、角砂糖に換算すると、1日にものすごい量を食べていることになります。
私は米国最新の予防医学を学び、管理栄養士であると同時に、様々な不調の根本改善をサポートするヘルスコーチとしてもクライアントさんの支援をしていますが、この予防医学の中では、一般的に人間が1日に処理できる糖質は、実はご飯茶碗軽め1杯分とも言われているのです。
実際、クライアントさんで1日に摂取する糖質を適量に調整しただけで、身体だけでなく心の不調まで改善した事例は、枚挙にいとまがありません。
なお、角砂糖にはブドウ糖のほかフルクトース(果糖)が含まれているため、全く同じものではないのですが、白米の糖質量が多いことは確かです。食べ過ぎには十分注意しましょう。
また、食物繊維が多い食品は「糖質+食物繊維」の量が炭水化物の量になっているので、食品表示を見る際は、炭水化物から食物繊維をマイナスしてください。
食物繊維は血糖値の急上昇を抑え、腸の中に入れば善玉菌のエサになり、便の量を増やすなどの効果があるので、1日に25g以上は摂りたい成分です。
【執筆:オールライフケア合同会社 管理栄養士/ヘルスコーチ:加藤莉都世】
=================================
いかがでしたでしょうか。
私たちの心身の健康を改善し、維持増進していくには、日々の生活習慣改善が大変重要になります。
しかし、長年の生活習慣を変えることは難しいと感じている方も多いと思います。
生活習慣改善は健康に良いとわかっていても、
なんだか腰が重い・・追々やっていこう・・
と考えて、行動に結びつかない方が多いのも事実です。
一人では生活習慣改善が難しい場合でも、社員みんなで取り組んだり、専門家と一緒に伴奏すると、一人では超えられない壁も、難なく超えられたりするものです。
なかなか社員の生活習慣が改善しない場合は、グループで一緒に運動したり、専門家と一緒に改善をしていくなどの施策を是非取り入れられてみてください。
ここでのポイントは、社員がモチベーション高く(楽しく)、無理なく継続できる方法で行うことです。
本記事を是非参考にしていただき、貴社の社員の健康増進につながるヒントやきっかけにしていただければ幸いです。