変化の激しい時代に入り、

人単位でも、会社単位でも、これまでのやり方やあり方が通用しなくなってきて、

「これまでと同じことやってちゃだめ、新しいことを生み出さないと・・」

と、以前に増して、

多くの企業でイノベーションの創出に、より注力している印象を受けます。

そのためには、チームメンバーと様々なアイデアや意見を出し合うことが必要ですが、

どうやったらメンバーから、これまでにない斬新なアイデアを引き出すことができるでしょうか。

私も普段から、色々な人たちと打ち合わせを行う機会がとても多いのですが、

やはりここで感じるキーワードは、「心理的安全性」です。

心理的安全性とは、メンバー同士が、誰に対しても自分の意見や気持ちなどを臆することなく、安心して表現でき、自分らしくいられる状態を言います。

Googleが、「パフォーマンスや創造性が高いチームの条件」について調査を行った結果でも、この「心理的安全性」が非常に重要な要素となっていることを証明しました。

誰もが安心して発言できたり、率直に意見を言い合えたり、

例え誰かの意見に反論したとしても、それは物事をよりブラッシュアップするためのものであって、否定するものでも批判しているわけでもない、とみんなが安心安全な心理的状態であったら、そりゃ良いアイデアが生まれることは、想像に容易いでしょう。

一方で、特に日本人は、率直に意見を出し合う、自分の気持ちを素直に表現するのが苦手ですよね。

上下関係や、建前と本音を分ける古い時代の文化は、時代とともに徐々に薄まってきてはいても、まだ根底には根強く残っているところがありますので、

自分の意見を率直に表現するのが怖いと感じる人や、

実際に表現したことによって、上の人から怒られたり、批判されたり、機嫌を損ねられたりした経験のある方も多くいるでしょう。

また、日本人の多くは、相手から違った意見をぶつけられた時に、深層心理の部分で、

意見の相違=自分を否定された

と反射的に思い込んでしまうところが多く、

それがさらに健全なコミュニケーションをややこしくしているように感じます。

本当は、単なる「意見の違い」や「見方の違い」なだけなんですけどね。

(否定されたorするとかしないとか、そういう問題じゃないし、実際に海外では、単なる意見の相違と認識するようです)

もし、心理的安全性のあるチームに属したかったら、まずは一人一人がそんな心の動きや仕組みに気づき、理解することが大事です。

そうじゃないと、率直な意見を言ったら、ダメ出しされて否定されるんじゃないか、という恐れが拭えないし、相手に反論したら、相手を傷つけてしまうんじゃないかと気に病んでしまうからです。

そして、もう一つ、打ち合わせや会議を行う際の大事なポイントがあります。

多くの打ち合わせでは、「問題点や改善点はないか」を最初に探しにいきますよね。

それももちろん必要かつ重要な視点なのですが、最初から問題点や改善点の指摘から入ると、

「心理的安全性」という観点からはむしろ逆効果になることが多いです。

そこで、誰かの発言について、まずはとにかく、「いいね!」リレーをするという方法があります。

具体的には、チームみんなで、誰かが意見を言った時に、まず最初に「それいいね!」と言葉を発して、「なぜそれがいいのかの理由も添えて」言ってあげる。

これは脳科学的に言えることですが、ある言葉を発すると、人は脳の自動検索機能が働いて、その言葉の理由づけを自動的に検索し、収集し始めるという機能があって、それを有効活用する方法です。

そうやって、みんなで、「それいいね!」リレーを続けていくと、チームみんなが、「率直に発言していいかも」という前向きな気持ちにもなり、さらに続けて、それを発展させた意見を言いやすくなります。

その好循環で、メンバー一人一人からどんどんアイデアが生まれ、ブラッシュアップされて、想像つかないほどにとんでもなく斬新で良いアイデアが生まれる可能性が高まります。

もしかすると、当初に改善が必要だと思っていたことが、新しい「いいね!アイデア」がどんどん出てくるうちに、改善に有効なアイデアも出てくるかもしれません。

チームの風通しが悪いなと感じている方や、新しいアイデア出しを必要としている方、

(特に経営層や管理職、チームリーダーの方など)は

ぜひ、ご参考にしてみてくださいね。

はなみ ゆうか (打ち合わせが好きになったら、仕事はもっと楽しくなる)