今日は、これまで、多くの会社の健康経営推進のサポートを行ってきた中で感じることについて、シェアしたいと思います。

一般的な企業は、

社員の健康診断データとか、ストレスチェック分析データ、などをベースに、全体の改善計画を立てて、健康施策を実行しています。

全体的な傾向を見て、効果的・効率的な施策を実行していくには、とても大事なことだと思いますが、

データに囚われずぎて、

現場で何が起きているのか、社員の声や、健康施策に携わる現場担当者の声を吸い上げていないケースがとても多いのも実情です。

また、しっかり意見を把握するためにアンケートを取っていたとしても、しっかり本音はキャッチできているか、その意見は建前でないか、は実際によく聴いてみないとわかりません。

会社側は結構真剣に取り組んでいたとしても、それが社員に伝わっていなかったら悲しいですよね。

そして実際、あまり伝わっていない現状も多くみられます。

逆に、社員は会社のいうことだから仕方ないという「やらされ感」、モチベーションが低い状態で、研修やセミナーを受けたり、特定保健指導、その他イベントに参加しているケースがとても多いです。

私が色々と社員の人たちのお話を聴いている限りでは、

会社がデータを分析し、その結果に基づいて取り組んでいることと、本人たちとの気持ち(やる気含む)との間に、かなりの乖離があると感じています。

自身を顧みればわかる通り、誰しもモチベーションが低い状況では、当然、意識や行動変容は起きませんよね。

また、社員サーベイの回答も、会社や上司の評価を恐れて、建前的な回答をしている人も(アンケートが匿名だったとしても)、結構いる印象です。私も日々、そんな声をよく耳にします。

これは、日頃の会社と社員の間における信頼関係や、心理的安全性(自分の気持ちを素直に表現できるか)にもかなり影響するところですので、その土台作りが重要であることはいうまでもありませんし、

ある意味、ここさえしっかりしていれば、色々なことがもっとスムーズにうまくいくと思っています。

そんな双方の信頼関係を作る上で最も大事なこと。

それは、会社と社員の対話や、傾聴の実践です。

社員数が多くなればなるほど、意見や声を吸い上げて集約するのは大変かもしれませんが、

「そもそもその取り組みは何の為にやっている?」

「誰のためにやっている?」

「みんな本当はどんな風に感じている?」

かを、役職やそれぞれの立場を超え、みんなで真剣に考えて、オープンな議論を深めても良いような気がしています。

「みんなで、健康で幸せに活き活き働くための良い形を考えていく」

同じ方向を向いて、「みんなで一緒に」考えていくことが結果、

巡り巡って、一人一人自分の幸せへとつながるのではないでしょうか。

データと対話・傾聴のバランスをもう少し取り戻してみませんか。

思考も大事だけれど、これからの時代は、

物質的豊かさを追求してきたこれまでの時代から、

置き去りにされがちだった心の豊かさを取り戻していく時代。

はなみ ゆうか