在宅勤務が増え、多くの会社でもコミュニケーション不足によって、業務上のミスや職場での人間関係にトラブルが生じ、
「心理的安全性」(職場のメンバ同士が、上下関係なく自分らしく安心して発言できる状態のこと)や、
「1on1ミーティング」(主に上司が部下と1対1で面談して、業務のことから健康状態までヒアリングして、部下の状況を把握すること)
「傾聴」(面談時に、相手が心地よく安心して話をしてもらえるよう、話を聴く際の心理的スキル)
という言葉が、会社の健康管理やメンタルヘルス対策において今、特に、重要視されています。
この分野において、これらのワードはもう、「流行語大賞!」
と言っても良いくらいです笑。
総じて、多くの人がコミュニケーションになんらか悩みを抱えていて、
もっとスムーズにコミュニケーションを図りたいという気持ちが高まっている現れですね。
私も多くの企業さんとメンタルヘルス対策でお話をさせていただく時、
毎回コミュニケーションに関するお悩みとご相談をいただきます。
その際、先ほど挙げた職場の「心理的安全性」についてや、「傾聴」についてのベーシックなお話もさせていただくのですが、
いくら上司と部下のコミュニケーションを促進するために「1on1」を導入しても、
研修で「心理的安全性」や「傾聴スキル」について学んでも、
なかなかコミュニケーションが改善しない、永遠の課題・・
と、多くの企業さんと社員さんが難しさを感じているようです。
そこで、今日はもう一歩踏み込んで、コミュニケーションの本質について考えていきたいと思います。
そもそも、私たちはなぜ、コミュニケーションで困るのでしょうか。
なぜ、スムーズに心地よいコミュニケーションが図れないのでしょうか。
ここでの大事なポイントは
人と接する時、
「どういう意図、どういう意識でコミュニケーションを図っているか」
です。
誰かとコミュニケーションをとる時、
どんな意識でコミュニケーションをとっていますか。
実は、コミュニケーションに不具合が生じるとき、
なんらか相手に対する不安や恐れを持っていたり、
その不安や恐れから
「相手をコントロールしたい」という意識をベースとしたコミュニケーションに
なっていることがほとんどです。
例えば、上司の場合、
「忙しいのに、1on1するのはめんどくさい」
「相手の話を聞かなきゃいけないなんて、わかるけど、疲れるし、面倒なこと言われたら
嫌だな」
「こいつには、もっと仕事をするようにガツンと言わないと」
「(逆に)部下からハラスメントと言われるのが怖くて言えない」
だったり、
例えば、部下の場合、
「言いたいことあるけど、反対意見したら怒られそうだから黙っておこう」
とか
「できないやつだと思われるの嫌だから、言えない」
「評価が下がるから、大人しくしておこう」
「本当は意見違うけど、建前の意見を言っておこう」
などの思いが意識のベースにあります。
そんな不安や恐れの意識をベースにコミュニケーションを図れば、
相手との間で、心地よく自然でスムーズなコミュニケーションが取れないことは
イメージできるのではないでしょうか。
一方で、
「心地よく楽しく、相手と調和が取れるポイントを探して相手と関わる」
意識をベースに置いて、相手とコミュニケーションを取れば、
相手と関わるときの意識も言動も変わり、
自然とコミュニケーションが調和の方向に向かっていきます。
この意識をベースにコミュニケーションを取れば、
例えば
「とにかく相手との会話を楽しもう」
「相手の思いを汲み取りつつ、でも自分の意見も素直に伝えよう」
という思いが生まれ、
「相手と自分の思いが共通するポイントはどこかな」
「相手と自分が双方に満たされるポイントはどこかな」
と、相手も自分も大切にした発想に変わります。
こんな風に意識が変わると、
コミュニケーション自体がもっと楽しいものにもなるでしょう。
「1on1」を導入したり、「傾聴」スキルを学ぶことも大事ですが、
そのスキルを使う人の「意識」によって、
スキルが役立つかどうかを左右すると言っても過言ではありません。
まずは、コミュニケーションをとるとき、どんな意識を使って
コミュニケーションを取ろうとしているかを、
ハートに素直に聞いてみて、
もし「ああ不安なんだな、恐れているんだな」という意識があったら、
そんな不安な自分、恐れている自分に「不安だよねー、怖いよね」と共感して受け入れつつ、
「とにかく相手とのコミュニケーションを楽しんでみよう」
「この相手との面談を楽しく心地よく、有意義な時間にしよう」
と少し意識の方向を調整してみてみてください。
きっと、ポジティブな変化があると思います。
ちなみに余談ですが、
大好きな漫画家・作家の1人であるさくらももこさんは、
仕事の打ち合わせをするとき、
「相手と仲良くなる・相手との会話をとにかく楽しくする」ことを
最優先にしていたそうで、ほぼ雑談で終了することも多かったんだとか笑。
さすが素敵だな、って思いますし、
そのほうがいつも楽しく過ごせそうです。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
はなみ ゆうか